「ユニコーン」、最近よく聞かない?
最近、ニュースやネットでよく聞く「ユニコーン企業」。
「〇〇社が新たにユニコーンの仲間入り!」なんて聞くと、なんかすごそう、って感じるけど⋯
「で、結局ユニコーンって何なの?」
そう思っている人も、きっと多いはず。
この記事では、そんな「ユニコーン企業」の正体を、コーヒーでも飲みながらサクッと読めるように説明します。実はこれ、ビジネスを考える上で、めちゃくちゃ面白いキーワードなんです。
そもそも「ユニコーン企業」とは?

まずは結論。
ユニコーン企業は、ざっくり言うと**「めちゃくちゃ成長してる、期待の大型新人(未上場)」**みたいな会社のこと。
具体的には、この3つの条件を満たしたスタートアップを指します。
【ユニコーン企業の3つの条件】
- 会社の価値が**10億ドル(約1500億円)**以上!
- 会社ができてから10年以内!
- まだ上場していない!
2013年に、アメリカの投資家アイリーン・リーさんが「こんな条件を満たす会社って、伝説の生き物ユニコーンくらい珍しいよね!」と言ったのが始まり。
アイリーン・リーってどんな人?(Wikipedia)
2013年当時は世界でたった39社。
当時の企業数を見つけることはできませんでしたが、2025年現在、世界の企業数は6億223万件(東京商工リサーチ)というデータがあります。
仮に6億社のうちの39社とすると⋯出現率約 0.0000065%(まったくイメージがわかない⋯)約 1,538万社に1社!まさに伝説級の存在。
でも今や、その数は1,200社以上!
その中には、デカコーン(100億ドル企業)やヘクトコーン(1000億ドル企業)なんていう、ド級の企業も生まれてきています。
1,200社の出現率は0.0002%、50万社に1社。それでも超レアには違いませんが、2013年の30倍と、ものすごく増えています。なぜこんなに増えたんでしょうか?
なぜユニコーンが次々と生まれるのか?

その背景には、時代の大きな変化が強く影響しています。
1.お金の出し手(資金調達方法)の多様化
「この会社、将来化けるぞ…!」そんな可能性を秘めたスタートアップに、世界中から投資マネーが集まりやすくなりました。
ベンチャーキャピタル(VC)の普及や、プレIPO投資家、クラウドファンディング、非上場株プラットフォームなど資金調達方法が多様化し、スタートアップが早期に大規模な資金を調達しやすくなっています。これにより、一気に急成長できる基盤が整っています。
2.テクノロジーの急速な進化
AI(人工知能)、IoT、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの先端技術が進展し、それに基づく革新的なビジネスモデルやサービスが生まれやすくなりました。これがユニコーン企業の急速な成長を後押ししています。テクノロジーが、やる気のある挑戦者たちの強力な武器になりました。
3. 安価にアイデアを試せる時代になった(起業コスト低下とグローバル市場の拡大)
以前はビジネスを作るのに多額の資金が必要でした。でも今は、テクノロジーの進化のおかげで安価にアイデアを試せる時代。クラウドサービスを使えば、安く早くシステムが作れちゃう。スマホがあるから、世界中の人に直接サービスを届けられる。アイデアとPCさえあれば、世界に向けて何度もチャレンジできる時代になっています。
この2.技術進化と3.起業コスト低下を利用して、これまで解決されていなかった「不便」や「不満」を解決し、そこに1.資金調達でお金が集まり、様々なユニコーンが生まれています。
「モノを買うより、必要な時だけ借りたい」→ UberやAirbnbが誕生。
「ハンコのために出社するの、めんどい…」→ SmartHRのようなクラウドサービスが誕生。
こんなふうに、私たちの生活や社会に潜む「不便」や「不満」を解決する試行錯誤がしやすくなり、そこにお金が集まることにより、ユニコーン企業が次々と生まれているのです。
どんなユニコーン企業があるのか?

- SpaceX(アメリカ):イーロン・マスク氏の宇宙ベンチャー。「ロケットは使い捨て」という常識を壊し、再利用することで宇宙旅行をグッと身近にしました。スケールがすごい!
- Stripe(アメリカ・アイルランド):ネットで買い物するとき、実は裏側で大活躍している決済サービスの会社。お店側が「カード決済を導入したい!」と思ったとき、魔法のように簡単にしてくれます。
- Canva(オーストラリア):デザインの知識がなくても、パワポ感覚でおしゃれな画像が作れる神ツール。インスタの投稿やプレゼン資料で、お世話になっている人も多いはず。
- SmartHR(日本):日本のユニコーン代表格!めんどくさい会社の書類手続きを、スマホやPCでポチポチするだけで終わらせてくれるサービス。日本の働き方をアップデートしています。
彼らに共通しているのは、**「世の中の『当たり前』を、テクノロジーでひっくり返した」**こと。そして、新しい「もっと便利な当たり前」を作っている点です。
「すごいね」で終わらない。ユニコーンから学べること
「ふーん、すごい会社があるんだね」で終わったらもったいない。
実は、ユニコーンの考え方って、私たちの仕事や日々の生活にも役立つヒントがいっぱいなんです。
1. 「不満」や「面倒」はチャンスの種
彼らは、みんながスルーしがちな日常の「ちょっとした不便」を見逃しません。あなたの職場や生活にある「これ、もっとこうだったらいいのに…」は、最高のアイデアの原石かもしれません。
2. 100点を目指すより、まずやってみる
完璧な計画を立てるのに時間をかけるより、まず60点でいいから世に出してみて、お客さんの反応を見ながらどんどん良くしていく。この「まずやってみる」スピード感が、変化の速い時代にはすごく大事なんです。
3. ちょっと大きな夢を語ってみる
「業界を変える!」「人々の生活を楽しくする!」彼らが語るビジョンは、時々「マジで?」と思うくらい大きい。でも、その大きな旗があるからこそ、仲間やお金が集まってくる。たまには、自分の仕事で「ちょっと大きな夢」を考えてみるのも面白いかもしれません。
おわりに
ユニコーン企業とは、ただ「評価額が高い会社」ではありません。
それは、**「テクノロジーを相棒に、未来の『当たり前』を作ろうとしている冒険者たち」**のこと。
彼らのストーリーは、なんだかワクワクしませんか?
どんなに大きな相手でも、どんなに古くからの常識でも、たった一つのアイデアと情熱で変えられる可能性があるってことですから。
次にあなたが「これ、不便だな」と感じたとき、思い出してみてください。
その小さな気づきが、世界をちょっとだけ面白くする、未来のユニコーンのタマゴかもしれないんですから。